■小菅寧子さん(本校41回生)インタビュー
北京オリンピック(ウインドサーフィン・RSX級)出場権獲得!
 

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小菅寧子さん(本校41回生)インタビュー
北京オリンピック(ウインドサーフィン・RSX級)出場権獲得!
 本校の卒業生である、小菅寧子さん(41回生)が、2008年に開催される北京オリンピックに、セーリング(ウインドサーフィン・RSX級)で出場権を獲得しました。
 このたび、小菅さんに取材をさせていただく機会を得ました。落越道彦校長・板井良太事務長とともに、小菅さんに貴重なお時間を頂戴して、インタビューをさせていただきました。
(インタビュー:2008年3月3日)
■略歴■
小菅寧子(こすげ・やすこ)

1974年、葉山町出身。関東学院六浦小学校卒業、関東学院六浦中学校・高等学校卒業(本校41回生)、関東学院大学卒業。現在はジェイ・ウィル・パートナーズ所属。
ウインドサーフィン・RSX級で2007年の全日本選手権、アジア選手権優勝。
2008年北京オリンピック出場権獲得。
■ウインドサーフィン競技とは?
――
この度は、北京オリンピック出場権獲得おめでとうございます。

小菅:

ありがとうございます。
―― 心よりご健闘をお祈りしております。いくつかインタビュー形式で質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
小菅: お願いいたします。
―― 始めに、小菅さんがなさっている、ウインドサーフィンの競技について、多くの方がご存知ないと思いますので、競技の内容などについて、ご説明いただけますでしょうか?
小菅: 私はセーリング競技のなかの、ウインドサーフィンの競技をしています。RSXクラスという種目で今回オリンピックに出場させていただくことになりました。
ウインドサーフィンの競技は、水面に浮かべられた「マーク」に向かって進みます。オリンピックの場合は29名が一斉にスタートし、設定されたマークのコースをたどりながら、その順位を競うというものです。
―― 「スラローム」みたいなものと理解したらいいでしょうか?
小菅: 基本的には、「風上マーク」に向かって進むのですが、セールを使って進むには、風に対してまっすぐには進めないので、斜め斜めと方向転換を繰り返しながら、進んでいきます。
―― 「マーク」は1個だけですか?
小菅: 「風上マーク」があって「サイドマーク」があって「風下マーク」があります。
―― 三角形状に回っていくのですか?
小菅: マークの位置は台形の形をしています。また、最後の進み方は少し複雑になっていまして、フィニッシュラインまではスラロームのコースになっています。
―― 定められたコースをより早く進む競技ということですね?
小菅: そうです。でも、コースはいくつか種類がありますし、風速によって変わることもあります。
―― 順番に一人ずつスタートするんですか?
小菅: 一斉にです。
―― 渋滞とか混雑とかはしないんですか?
小菅: そこを上手にすり抜けるテクニックがこの競技には必要なんですよ。
―― 29名も一緒にですか……。
小菅: 北京オリンピックは29カ国から各国一人ずつの代表が来るんです。
―― 「級」の違いはどのように区別されるんですか?
小菅: 例えば、ウインドサーフィンの場合は、男子と女子ではセールのサイズが違います。またボード最後尾についている「スケグ」という、フィンのようなものの大きさも男子と女子で規格が異なります。
 
■どうしてウインドサーフィンを?
―― ウインドサーフィンを始められたきっかけについて教えていただけますか?
小菅: きっかけは、もともと家族がヨットをしていたということもあるのですが、直接は大学(関東学院大学)に入学したときに、ウインドサーフィン部に勧誘されたということです。
―― 大学生になってからウインドサーフィンを始められたのですか?
小菅: 大学生からです。
―― ご家族がなさっているヨットでなく、あえてウインドサーフィンを選んだというのは?
小菅: 父と一緒にヨットに乗って海に出たことは何度もありますが、ヨットは一人ではちょっと手間がかかるので、気軽に海で遊べないというところがあります。その点、ウインドサーフィンは一人乗りですし、手軽に始められるというところがあります。
あとは勧誘されたときの体験でした。ウインドサーフィンに試乗してみて「楽しかった!」ということが一番です。
―― ウインドサーフィンの一番の魅力は何でしょうか?
小菅: ひとことで言うと「気持ちいい!」ということです。自然の力を使って自由にどこにでも行けるというのは一番「気持ちいい」ことです。今は競技者としてウインドサーフィンをやっていますから、ガツガツ練習したりもするんですが、基本的には、気持ちよくて楽しいスポーツですし、とてもエキサイティングなスポーツだと思います。
―― 気持ちよくて楽しいスポーツである一方、競技として参加する以上、その辛さもあるのではないかと思うのですが、どのようにその楽しさを維持しているのでしょうか?
小菅: 楽しく続けられることは、大学から始めていくなかで気づいたことなんですが、周りに仲間がいて、お互いに仲間として気持ちを高めあっていけるということです。自分が辛いときも、支えあって、励まし合ってやってきたことが大きいと思います。
またウインドサーフィンをやっていて思うのは、海や自然が一日として同じではないということです。同じ日は一日としてないという、その違いを実際に肌で感じられるというのも魅力の一つだと思います。
   
■コーチなしでオリンピックへ
―― 新聞記事(『神奈川新聞』2008年2月26日)を読ませていただいてビックリしたんですが、小菅さんには専属のコーチがいらっしゃらないそうですね。普通私たちは、競技をする選手には専属のトレーナーやコーチがいて、その指導のもとで強くなると思いがちですが、コーチなしで、ご自身の競技のテクニックを高めていくという方法は、実際どのようになさっているのでしょうか?ぜひ知りたいです。
小菅: まずはやっぱり、自分のやっている練習内容や競技の結果について、自分で考えて、もし悪いところがあれば、何が悪かったのかをキチンと毎回、その都度フィードバックしていくことです。「じゃあ次はこうしてみよう」とつねに考えながら練習することで、少しずつ向上していくと思います。
コーチがいれば、客観的にみていただけて、効率もいいと思うのですが、私の場合にはコーチがいないので、「自分でつねに考える」ことを、今までずっと繰り返してやってきていることです。
―― 「自分でつねに考える」というのは、苦しい作業ではないですか?
小菅: でも結局は自分に戻ってくることなのです。
代表的な例で言えば、イチロー選手もコーチをつけないで、練習方法なども、すべてご自分で考えながらやっていらっしゃいます。そのような方は、大きな舞台でも活躍されていらっしゃいます。
結局は、自分の周りにどんなコーチがかいるかということではなく、最終的には自分自身の問題になると思うのです。自分の問題だということをしっかり自分で認識していなければ、たとえどんないいいコーチがいたとしても、自分がやってきた経験は生かされることはないと思います。
私の場合は大学生から始めたことので、先輩から教わったのが最初でした。そのころから、つねに自分で考えることが、自分の好きなウインドサーフィンを上達させるために必要なことでした。
―― つねに自分だけで考えていって、そして世界の頂点であるオリンピックで競えるようになるまでには、ものすごいご努力をなさっているのではないでしょうか?
小菅: それは、ウインドサーフィンが「楽しい」し「好き」という理由があるから続けられる努力なんです。楽しいし好きだからこそ、こうような結果が得られたのだと思います。
―― 何かをするときに、私たちは指導者の役割は大きいと考えてしまいます。技術を磨くとか、戦略を練るとか……。特にスポーツなどでは、指導者の必要性の度合いがかなり大きく、それに頼ることで能力を高めていると考えていたですが、小菅さんのおっしゃるような「自分でつねに考える」というお話を伺って正直、スゴイと感じました!
小菅: 私の場合、ウインドサーフィン界にそういう指導者的な存在がいなかったということもありまして、ちょうどそういう時期に私がウインドサーフィンを始めたので、自分で考えるよりしょうがなかったのです。選択肢はありませんでした。
―― まさに、パイオニア的な存在ですね?
小菅: ええ。ですから、今後は自分がそういう存在になって、若者たちの助けになればと願っています。
 
■中学生・高校生時代は?
―― 話題を変えますが、ご自身が中高生のとき、印象に残っていることは何だったでしょうか?
小菅: 中学・高校とテニス漬けの6年間を過ごしました。当時テニス部の顧問をなさっていらっしゃった浮田橿子先生はとても印象に残っています(※)。女性の先生ですが、厳しくもあり、優しくもあり、そして生徒たちをとても愛して、育てていらっしゃいました。そしてそのことがとても伝わってきました。当時私は、身体がヒョロヒョロしていましたし、体力的にも頼りなかったのですが、浮田先生が私を、テニスをとおして鍛え上げてくださったことにとても感謝しています。
(※浮田橿子先生:体育科教諭。1960年度〜2004年度まで本校で勤務。)
―― 浮田先生はとても強い印象を与え、生徒を愛してくださったんですね。
小菅: はい!
―― その他に印象に残っていることはありますか?
小菅: 大きなできごとというより、むしろ普通に友達同士でおしゃべりをしていたことが楽しい思い出として残っています。今でも友達とは連絡を取り合っていますが、地方に行かれた方もいらっしゃいますので、なかなか会えなくて残念です。
   

■在校生へのメッセージ

―― 本校の生徒に力強いメッセージを、ぜひともお願いいたします。
小菅: 中学生・高校生のときって、エネルギーに溢れていると思います。私が中高生のときは、将来何をするか、夢は決まっていませんでしたが、とにかく何かに夢中になって、一生懸命やっていくことで得られることはたくさんあると思います。生徒の皆さんも毎日何かに熱中して欲しいと思います。
そして高校を卒業して大学生になったとき、さまざまな経験をしながらも、よく周りを見て、いろいろ感じて、先の将来、自分がどんな人生を生きたいのか考えていけることができるような自分になっていたら、きっといい人生が送れると思います。
私の場合は、ウインドサーフィンが好きでここまで続けられました。生徒の皆さんにも、自分が夢中になっていけることを、ぜひ頑張ってもらいたいと思います。
―― 確かに誰もが夢中になることを見つけられればいいと思うんですが、最近は一生懸命やることを、始める前から諦めてしまうような生徒もいます。ときに歯がゆいときもあります。生徒たちにいいアドバイスがあれば教えていただきたいのですが……。
小菅: 本当に一つのことを追求する前にやめてしまう人が多いように思います。けれど、したいことを続けることが大事だと思います。それは何でもかまわないので、何か一つでも追求し続け、追求し終えるような集中力、そのような気持ちと熱心な心が自分を育てていくのではないかと思います。
―― 素晴らしいメッセージです!どうもありがとうございました!
 
■オリンピックに向けて
―― これから忙しいスケジュールをこなしていかれると思うのですが、オリンピックに向けた意気込みや抱負などを教えていただけるでしょうか?
小菅: 次の北京オリンピックは、日本と同じアジア圏での開催でもありますし、結果も十分期待していただいて欲しいです。可能性もあると思います。頂点を目指して頑張っていきたいです。
――

本日は、貴重なお時間を頂戴して、とても素晴らしいお話を伺うことができました。応援しています。どうもありがとうございました。

小菅: ありがとうございました。
 
(了)